さて、開山堂で予想以上に時間が過ぎてしまい、これから信貴山の広い敷地内をお参りです。
せっかくなのでゆっくりとお参りしたいのですが、あまり時間もなくひとまず本堂目指して境内を進みます。
正しいお参り順路があるようですが、今回は時間がなく見るにとどめます。
この一帯がとても人が多く、後でわかったことですが日本で唯一の金運招福の神・銭亀善神を祀る「銭亀堂」だそうです。
何でもお参りした翌日に購入した宝くじで高額当選が出た人もいるのだとか。
それも一人ではないそうです。
あんぐりと寅が大口を開けておりますが、こちらが案内板によるところの胎内くぐりで、これはアトラクションっぽくて面白そうと家族で潜り抜けてきました。
さて、先程の銭亀堂の喧騒とは打って変わっての木々が美しい参道。
金と銀の虎が可愛くて思わずパチリ。
大黒天、弁財天、恵比寿大神がお祀りされているお堂ですが、何とも華やかで、先程の銭亀堂付近と言い、さながらテーマパークのよう。
こちらはその側にお祀りされている三宝荒神堂
こちらの狛犬さんにつられてお参りしたのですが、
境内には綺麗なにゃんこも側に居り、更にはそのにゃんこ(寺務所の女性曰くシャムと何かの間の子だとのこと)、寺務所の女性とお喋りが出来るようで話しかけると『にゃ~ん』と返事をしていました。
その様子があまりにも可愛く、ついつい寺務所の女性と話し込んでしまい、その間息子は気に入った護身用の笛を見つけて購入することに。
『命の守り笛』
水金鈴のお守りは音が気に入ったと、数年前に訪れた和歌山の紀三井寺で購入したもの。
私が子供の頃はランドセルに好きなキーホルダーをジャラジャラと付けていましたが、時代は変わり子供達の通う学校では護身用の笛、もしくはお守り以外は付けてはいけないとのこと。
気に入ったモノが見つかったようで良かったです。
さて、本堂目指して進みます。
親子の虎が厳重に檻で囲われています。
獰猛な寅を檻に入れているというより、神獣としての虎に我々人間がむやみやたらと手を出さないように人から寅を守っているかのように見えました。
このまま本堂へとお参りするはずが、左手の虚空蔵菩薩が気になりお参りして行くことに。
こちらでも開山堂同様、娘は学力向上、息子は交通安全のお願い。
上から龍が『その心に偽りはないか』とひと睨み。
私はお堂の右手のこちらの木が気になりました。
木というより根ですね。
さて、本堂前に戻り目の前の階段を上がれば本堂。
お祀りされているのは毘沙門天。
強面な姿形からは想像もできない福の神様。
本堂からぐるりと周りを見渡すと、見える大きな仏像は日本一大地蔵尊。
そこから左手に視線をずらすと開山堂。
三点を繋ぐと二等辺三角形のような位置関係。
開山堂の寺務所の女性から、開山堂と本堂は同じ高さにあり、その高さが示すことは、信貴山朝護孫子寺にとっていかに開山堂が重要であるか、とのこと。
こういったことは、やはり現地に行かなければ分からないことで、つくづく自身で経験体験することの大切さを感じます。
さて、本堂入口入ってすぐの場所に寺務所があり、こちらで先程お参りした開山堂の御朱印を頂きました。
御朱印を待っている間、寺務所の方に『よろしければ靴を脱いでお参り下さい』とお声がけいただき、ありがたくお参りさせて頂きました。
これがまた、とてつもなく良い空間で一人感動。
毘沙門天の御朱印を頂く予定はなかったのですが、開山堂の御朱印と合わせていただいてきました。
そして、その間こちらの僕チンは戒壇巡りがどうにも気になる模様。
主人と娘に一緒に行こうと声をかけるも断られ、さりとて真っ暗な道を一人で歩く勇気もなく、『一度戒壇巡りをしたことがあるから行かない。』と最初に断っていた私に白羽の矢が立ちました(笑)
この「戒壇巡り」は、心願成就を祈る修行の道場で、本堂真下の暗闇の回廊です。
長さ九間四面三十六間、暗い部分で約60メートル、約5分間でお詣りができます。
階段を下りたら、右手を右の壁に当てながら廻り、二番目の角を曲がってください。すると見えてくる灯明の場所には、皆様方の十二支生まれ年の守本尊、即ち千手観音や阿弥陀如来など八体の仏像がお祀りしてあります。ここで、ご自分の守本尊に身体健全、家内安全をお祈りください。
次にまた、右手を右の壁に当てながら進んでください。次の角を曲って少し行きますと、又木の格子が手に当たります。
その胸の高さに大きな鉄の錠前が掛っております。この錠前に触れますと如意宝珠に触れたと同じ功徳が与えられると言い伝えられ一願成就のご利益が授かります。
【出典元:本堂 : 信貴山 朝護孫子寺 公式サイト】
息子に言われなければ戒壇巡りはスルーしていましたが、今回改めて戒壇巡りの意味を知りました。
以前戒壇巡りをした際は、自身の守り本尊であるとか、一願成就の御利益がある錠前に触れるだとか、そもそもこの戒壇巡りが修行の場である事すら知らずにただ暗闇を歩いて終わっていたような気がします(^^;
そして、肝心要の戒壇巡りですが、コロナで密を避ける為、以前はなかった灯が足元に等間隔に設置され、ぼんやりとですが人の気配が分かるようになっていました。
灯があることであの独特の真っ暗なひんやりとした道を歩く感じは少し薄れますが、それでもやっぱり暗闇に目が慣れるまでのあの独特な感じは少し怖くも感じました。
真っ暗な戒壇巡りから出ると、この景色。
夕闇迫る中、最後に一か所と境内図にあった弁財天の滝を見て帰ろうと境内をウロチョロするも見あたらず、ここが怪しいと見つけた目の前の山へと通ずる道。
どんどん山中に入ってしまい、
左手に水音は聞こえてくるものの、全く見えてこない滝とどこにも見当たらない標識に引き返すことに。
ただこのまま来た道を帰っても面白くなく、ちょうど目の前にみつけた小道を辿っていくことに。
着いた先は一番最初に訪れた開山堂の裏手。
開山堂で始まって、開山堂で終わる。
何とも面白いお参りとなりました。
さて、駐車場へと向かう道すがら、先程辿り着けなかった弁財天の滝の標識を見つけてしまい、これは次回に続くことになるのでしょう。
このまま駐車場へ向かうと思いきや、せっかくなのでお土産でも見て帰ろうと仁王門近くの信貴山観光センターへ立ち寄ることに。
その際気になった『皇威覆八紘』の文字
八紘と言えば、以前お参りした高槻市の神社の側にあったマンション名が『マンション八紘』
下記、ブログ内の出典元からの転載です。
「日本書紀」巻第三の神武紀で、神武天皇が大和橿原(かしはら)に都を定めた時の神勅(しんちょく)に、
「六合(くにのうち)を兼ねてもって都を開き、八紘(あめのした)をおおいて宇(いえ)と為(せ)んこと、またよからず。」
六合とは、「天下、世界」、
八紘とは、8つの方位から「全世界」、
宇とは「家」
をあらわす。
全世界を一軒の家のような状態にする。
と、解釈し日本的な世界統一の原理として「八紘一宇」を造語した。
八紘の文字から感じるのは、強い国が支配の元世界を一つにまとめるのではなく、皆が思い一つに地球人として過ごしていく地球の姿。
地球上に争いのない世界が訪れますように。
こちらは多聞天の扁額のかかった鳥居。
この時は何故毘沙門天がご本尊の信貴山朝護孫子寺で多聞天なのかが分からなかったのですが、四天王として仏教では多聞天と呼ばれ、七福神としては毘沙門天となるそうです。
さて、信貴山観光センターでお土産を見ると言いつつも、目の前に見えた橋を見るなり渡りたいと息子。
こちらの赤い桟橋は開運橋という名の橋で、その橋の中間地点では開運バンジーという名のバンジージャンプができる場所があり、ビックリしたことに数人が並んでいました。
こちらの開運橋、「上路カンチレバー橋」という形式で、その形式としては現存する日本最古の橋になるらしく、平成19年7月に国の登録有形文化財に選定されたと信貴山朝護孫子寺のHPにありました。
今までずっと単なる『赤い橋』の認識しかなかっただけに、ちょっとビックリ(笑)
その開運橋から見えるまたしても赤い橋は大門ダムに架かる県道236号線。
こんな高い場所から下に飛び降りるだなんて、小心者の私には想像も出来ません。
若い男性が躊躇なく飛ぶ様を家族でドキドキしながら見守りつつも、無事に帰還された姿に一堂ホッとし、そのままお土産を買うこともなく満ち足りた気分で駐車場へと。
ここで面白い木を見つけました。
陰陽和合の木。
最後の最後に面白い木に出会えました。
なんだかんだとまたしてもウロチョロしてしまい、今度こそ駐車場。
と思いつつも何だか気になり奥へと進んでいくと断食道場の看板を発見。
以前どなたかのブログで信貴山の断食道場の記事を拝見したことがあり気にはなっていただけに、帰り間際に気付いたことにビックリ。
食べることが好きな私にとって断食は一番の苦痛になると思われますが、執着しているからこそ、そこから自分を解放することが出来れば大きな自信に繋がりそうな予感。
いつか断食道場の門をたたく日がくるのでしょうか。
予期せぬ出会いにこそ必要な出会いがあり、自身が頭で考えてこねくり回したものはその目的を遂行することが目的となってしまい、その瞬間を楽しめなくなってしまうのが私の常。
お参りに行くたびに感じるのが、予期せぬ出会い、予期せぬ思い、予期せぬ気付き。
その予期せぬ何かが、私にはとても必要なようで、お参りに行くたびに想像以上の何かをいただいていることに後になって気付かされます。
ついつい、早く結果を出したいと焦ってしまいますが、必要な時に必要な事は起こるようで、目の前ですぐに結果が出なくとも、待つことも大切なのだと。
そして、待つことが次に繋がることも、この2年のお参りを通じて確信に繋がりつつもあります。
さて、高野山へはいけるのでしょうか(笑)