石坐神社を出て、宮司さんの話されていた石山寺へ行ってみようかと思いつつも、気の向くままに自転車を走らせていると、境内外からでも分かるほどに立派な木が見えてきました。
【膳所神社】
御祭神は豊受比女命
豊受比女命といえば、思いつくところで伊勢神宮外宮、籠神社(京都府宮津市)奥宮の真奈井神社、比沼麻奈為神社(京都府京丹後市)の主祭神で穀物の神様。
由緒書きより、天智天皇がこの地を御厨地とされたと記載があり、豊受比女命を大和国から奉遷したようです。
【由緒書き】
社伝によると天智天皇が大津宮遷都の際、この地を御厨地と定められた。
天武天皇6年に大和国から御食津神を奉遷して、大膳職の御厨神された。
慶長年間に至り大政所豊臣秀頼、徳川家康が当社を厚く尊信されて種々の神器の寄進があり、東山天皇は膳所大明神の宣下をされました。
また慶長6年、膳所城創始以来、藩主本多候は歴代崇敬が厚く、社領の寄進や社殿の造営が度々行われました。
現在の当社表門は旧膳所城の城門で重要文化財に指定されています。
平成十二年 五月吉日
膳所城取り壊しの際に、移築されてきたそうです。
その城門手前、気品に満ちた狛犬さん。
スラリとした姿がカッコいい!
足元の鞠が、何だかサッカーボールのように見えてきました(笑)
そんな凛々しい狛犬さんの後ろにある木。
こちらもとても立派です。
そして表門くぐってすぐの木も素晴らしく、立札を見て見ると膳所神社の鎮守の森自体が大津市の保護樹林に指定されているようです。
このあと、境内をぐるりと散策しますが、圧倒される木々達ばかりでした。
さて、先を進んで手水舎側のこちらの石灯篭。
初めてみるタイプ。
足元はまさかの亀です。
境内はとても広く、その境内を覆いつくさんばかりの木々。
本殿左手の摂社 愛宕神社 (火之加具土神)
こちらのお社は小さいながらも木の圧倒的な存在感で惹きつけられました。
そんな素晴らしい木々達の中、こちらのご神木は何があったのでしょうか。
痛々しい姿です。
さて、鎮守の森が楽しくてウロチョロしておりますが、お参りです。
表門からまっすぐ進んで、拝殿の後ろに中門で囲まれた本殿。
中を覗いてみると、こちらはさっきのスラリとした狛犬さんとは対照的な、なんともにこやかな狛犬さん。
ちょっと、手足がずんぐりむっくり(笑)
でも、かわいいからまぁえっかー(笑)
本殿を少し離れた場所からパチリ。
木々達に守られているかのような佇まい。
そんな立派な木々達の根元はやはり素晴らしく、こちらは拝殿側の木の根元。
エネルギーが漲っているように見えます。
拝殿の周りはどこを見回しても青々とした葉が生い茂っており、それだけで充分な心地良さ。
大山咋神といえば、比叡山麓の日吉大社、京都松尾大社の御祭神。山の王。
その他、こちらは初めて知りましたが伊勢神宮豊受大神宮(外宮)の摂社である山末神社は大山津姫命を祀るが、大山咋神が祭神だとする説もあるそうです。
【出典元:大山咋神 - Wikipedia】
となると、こちらの膳所神社と同じ図式になりますね。
【豊受比売命】 【大山咋神】
伊勢神宮下宮 山末神社
膳所神社 松尾社
松尾社は山と水の神様が一緒にお祀りされているお社でした。
こちらの摂社も見るからに心地良い場所にお祀りされています。
摂社 稲荷大明神(宇賀之御魂神)
稲荷大明神の右手に石碑が縦に並んで配されていました。
横はよく見かけますが、縦は珍しい気がします。
【辰巻大神】
『竜巻?』
ぐらいしか思いつきません(^^;
その奥に【人麿竜神】
人麿と聞いて、漢字は異なるもののパッと思いつくのが歌人 柿本人麻呂。
少し気になって調べてみると、梅原猛さんの著書『水底の歌-柿本人麻呂論』で、通説とは異なる水刑で柿本人麻呂は処刑されたと論じているようです。
水=竜神
安易な発想ですが、であれば人麿竜神の石碑は鎮魂碑かもしれません。
金龍大神のお祀りされている神社は春日神社 若宮社摂社の金龍神社。
金龍神社は毎月初めの辰の日に、初辰祭りをされるそうで、辰巻大神の『辰』とリンク。
【月道龍神】
こちらの月道龍神の御祭神はWikipediaでは闇淤加美神(くらおかみのかみ)とされていました。
闇淤加美神は属性は水ですが、火の神様 火之加具土神の子。
その為、出産の際イザナミの陰部に火傷が出来、そのことが原因でイザナミは亡くなってしまい、これに怒ったイザナギが十拳剣「天之尾羽張(アメノオハバリ)」で我が子である火之加具土神を殺してしまう。
その火之加具土神から生まれたのが闇淤加美神。
その貴船神社の由緒書きから、下記抜粋です。
水は恐ろし 水は尊し
高龗神・闇龗神について、社記には「呼び名は違っても同じ神なり」と記されている。
かくして、火の神から生まれた神は、水神『高龗神』というわけなのである。
人間にとって火はとても大事なものであるが、使い方を間違えると大きな禍をも招く。
その荒ぶる火を鎮める為、火の神から水の神が誕生したのである。
火を鎮められるのは水だけである。
ここに、火と水の大事な関係を窺い知ることが出来る。
【出典元:由緒】
陰陽、火水、男女、強弱、生死、明暗・・・。
どちらかだけが必要なわけではなく、どちらも必要。
拝殿の左右に火と水の神。
相反するものが大事な関係であるということが示唆されているような気がしました。
ふと、境内の神様が五行説に当てはまるのではないかと思い、当て嵌めてみました。
愛宕社=火
月道龍神=水
人麿龍神=水?
金龍大神=金
豊受比女命=土(穀物の神様)
お互いが影響し合って、循環する。
そんな拝殿周りの木々達は本当に素晴らしかった。
さて、こちらは変わって社殿左手の木。
木の後ろに変わった形の石碑を見つけました。
『永代百御百燈』と読めますが、何のことやらさっぱりで。。。
上部の空洞は、ふと太陽を表しているのではないかと思いました。
となると、この石は陽石?
であれば、社殿右手にあった月道龍神が月=陰で陰石?
永代御百御燈で調べてみると、近しい語句で岩屋神社の八朔祭『御百燈献灯神事』が見つかりました。
永代御百御燈の意味は分からないものの、岩屋神社は車で滋賀通いの際、帰路に案内板があり気になっていた神社。
これは一度行ってみなければ。
拝殿から境内を見るも、境内よりも目の前の木、いや根元に釘付け(笑)
良い景色です。
つづきます。