湊川公園を後に、先程の写メがデジャブかのような生田神社の花手水。
三宮駅からすぐ近くということもあってか、途切れることのない人とそして賑やかな声。
ただその喧噪も本殿裏手で一変します。
『生田之森』
生田神社の境内北側には鎮守の森が広がっており「生田の森」として親しまれています。
平安時代の『枕草子』に「森は大あらきの森、信太の森、生田の森」をはじめ様々な書物に記されています。
特に源平合戦の戦場になったことは有名で寿永三年(1184)2月には平知盛を大将とする平家軍が生田の森に陣を構え、一の谷から生田の森へかけて一帯が戦場となるなど、歴史的に由緒のある森です。
『信太の森』で浮かんだのは、和泉市にある信太森葛葉稲荷神社。
安倍晴明公の母君の白狐が御祭神の由緒ある神社。
参拝当初はそんなことを知る由もなく、さてこちらは本殿後方に広がる生田の森。
その生田の森に迫ろうとせんばかりのコンクリートの壁と一面に広がる防音シート。
源平合戦という歴史的な戦があった生田の森。
当時と比べると随分と森は小さくなってしまったのかもしれませんが、それでも三宮市街地の中に突如として現れる生田の森の存在は別格で、ただただこの地に木々が、それも立派な巨木が存在することがとてもありがたく感じます。
こちらの枯木は納札所側にある樹齢500年を超える楠。
神戸大空襲で被害にあったようですが、復活の兆しが見え始めたことから再生と復興の象徴となったそうです。
見た目には枯木で死木のようにも見えますが、見える箇所が全てではないということ。
参拝時は12月下旬だった為まだ実感がありませんでしたが、もう辰年ですね。
後ろを振り返ると、前回の参拝時には気付きませんでしたが楼門の裏手に扁額が見えました。
神恩感謝
まさに。
今この瞬間。
最後にシロンプトンとの記念撮影を鳥居前で。
一緒に綺麗にお辞儀をされている方が写っていました。
そして面白いことに、今、まさに私の横で息子が明日から始まる学校を目前に冬休みの宿題をしており(いつもギリギリにしか宿題をしない息子。私には考えられない思考回路の持ち主です・・・。)、息抜きにと見ていたYouTubeがまさかの『日本人のお辞儀』!
どんなシンクロやねん(笑)
と思わず心の中で突っ込みましたが、このお辞儀の仕方が日本人は独特のようで、元々は中国発祥のもの。
ただし、中国でのお辞儀は最敬礼の意味合いが強く、日本のように挨拶や人とすれ違う時、はたまた扉を開ける時やそれこそ鳥居の前でのお辞儀は一般的ではないそうです。
鳥居の前で深々とお辞儀をされている姿はとても美しく、見ていて心が洗われます。
そんな感覚も日本人ならではなのでしょうか。
2023年はありがたいことに本業の着付けのお仕事が徐々に増え、成人式のご依頼もいただき、そして地域活動に奔走した一年となりました。
見える形での現金化はそれこそ正社員時でバリバリ働いていた時から比べると見る影もありませんが、それでも自分で出来る事でコツコツと繋いできたことが目に見える形となってご縁になり仕事へ繋がっていったように感じています。
まさに枯木と見せかけて、根は生きている現象です。
せっかちな私はすぐに結果が欲しい、それも見える形で今すぐに!で、そんな私からすれば、今の私の生き方はそれこそ考えられない真反対の生き方ですが、真反対を知った今、さてこれからどう生きていくかですね。
相変わらず自分の中で、以前の自分と今の自分の折り合いが上手くいかず、一人あーだこーだと格闘しておりますが、もう考えても仕方ないのじゃないかと、半ばの諦めの境地に近い感覚になりつつもあります。
そんな私に追い打ちをかけるように、年末に以前の職場の方からお声がかかり、とはいっても中途採用となる為、面接も適性検査も諸々しっかりとあるのでお声がかかったからと言って即採用とはならないのですが、心揺れる自分も居たりします。
それは昔の自分を懐かしんでいるからなのでしょうか。
お金という目に見える形で成果が分かる『仕事』という行為は私を盲目にさせてくれます。
そんなことを働いている時は考えもしませんでしたが、ある意味考えないという面においては楽だったような気がします。
今より良い生活。
その為には稼ぐ、ただひたすらに。
気になることを追い求める生活。
自身の思う稼ぎとは程遠い現実(笑)
自分の『我』に振り回されているなと、こうして文字にするとよく分かるのですが、ただそんなことも俯瞰せねば見えてこない現実で、であればそういったことが分かるようになっただけでも退職後で幾分か人間的には成長できたのかなとも思います。
今は通って下さる生徒さんの為に。
着付けをご依頼くださるお客様の為に。
私の『我』はひとまず置いておこうと思います。
年末年始と、当ブログを覗いて下さった皆様、ありがとうございました。
大木のようにそびえ立つ甲。
そして登り龍を創造させる辰の甲辰の2024年。
本年もどうぞよろしくお願い致します。