さて、息子の後について境内を散策です。
早速目についたのがこちらの掲示。
標識のある護摩堂は【三 火の道場】
日常生活で作り出した業や煩悩を護摩木に託して、沸の知恵の火で全てを焼き尽くして清浄にする道場です。
修験道の開祖、役行者尊がお悟りになりました箕面山の瀧窟を観想し、六大理観に入り、行者尊として修法して頂けるようになっております。
そして、その滝で役行者が修行され、弁財天の導きを受けて弁財天の像を作成、祭祀された場所が龍安寺。
その龍安寺には日本最初にして、最古の弁財天様がお祀りされています。
当時の記録を探ろうと過去のブログを調べていたところ、ちょうど一年程前に龍安寺を訪れていました。(2日違いでビックリ!)
次に、奥に見える鳥居は
【四 風の道場】
火が風を呼び、風に乗って天龍王神に降臨いただく道場です。
地・水・火・風の四大が崩れますと死に至り、清浄になれば新沸の世界に至れます。
【天龍王神】
案内板によると、天龍王神と地龍王神のご加護とあり帰ってから気付きました。
金生水の側にあった地龍王神の石碑。
案内板を見落としていたのかもしれませんが、こちらが【一 地の道場】にあたるかと思います。
さて、天龍王神手前の狛犬さんの背後、左手を見ると何やら気になる雰囲気。
水路に飛び石があり、これは行かないわけにはいきません。
突き当りには滝場がありました。
【二 水の道場】
自然の恵みによって大地より水を頂きます。
水は生命を保つ根源であり、尊い水で身心を洗い清める道場です。
十八界を清浄にする為、十八尺の高さから落ちておりますので、五沸の三摩地に住して五智如来の加護を頂いて下さい。
下記、十八界、三摩地、五智如来についての覚書。
<十八界とは?>
18の知覚認識の要素。
六根、六境、六識の後に「界」の字を付ける。「界」とは、種族、種類のこと。
<六根>眼(視覚)、耳(聴覚)、鼻(嗅覚)、舌(味覚)、身(触覚)、意(知覚)
<六境>色(視覚)、声(聴覚)、香(嗅覚)、味(味覚)、触(触覚)、法(知覚)
<六識>眼識(視覚)、耳識(聴覚)、鼻識(嗅覚)、舌識(味覚)、身識(触覚)、意識(知覚)
<三摩地とは?>
心をひとつの対象に集中し心の散乱がないという精神の作用や、そのようにすることや、定まっているその状態を指す。
また、一般に心を散乱させないようにする修行、及びそれによってもたらされた特殊な精神状態をも総称して定という。
samādhiの音写が三昧(さんまい)であり、三摩地とも書かれた。
【出典元:定 - Wikipedia】
<五智如来とは?>
五大如来ともいい、密教で5つの知恵(法界体性智、大円鏡智、平等性智、妙観察智、成所作智)を5体の如来にあてはめたもの。
金剛界五仏のことである。
作例としては、東寺(教王護国寺)講堂、京都・安祥寺の像が著名である。
・大日如来(だいにちにょらい)(中心)
・阿閦如来(あしゅくにょらい「閦」は門の中に人が3つの众)(東方)
・宝生如来(ほうしょうにょらい)(南方)
・観自在王如来(あみだにょらい,阿弥陀如来)(西方)
・不空成就如来(ふくうじょうじゅにょらい)(北方)
【出典元:五智如来 - Wikipedia】
身も心も水で洗い清め、迷いのない心へと修行する場ですね。
中には入れませんので、外から見える範囲で十八尺の高さの滝と思われる箇所を撮影。
戻ります。
その滝場の水路の終着点と思われる箇所に大弁財天の石碑と共に池がありました。
池があると覗き込む男子チーム。
あまり期待をしていなかったのですが覗いてビックリ!
池の底まで見渡せるとても澄んだ水。
金魚もお魚も泳いでいました。
その右手に鐘楼のある
【五 空の道場】
梵鐘は大日如来の心を表しており、その音は法身の説法と言われています。
三界六道に苦を受けている衆生の迷?を覚まさせてくれますので、多くの迷いや煩悩を鐘の音と共に消滅させて下さい。
軽く一打して、目を閉じ、音の消えるまで合掌して下さい。
<三界六道とは?>
三界は凡夫が生死流転する迷いの世界を三つ(欲界・色界・無色界)に分けたもの。
六道は十界の中の地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天の六界をさし、これらは衆生輪廻の道途であるので六道という。
共に煩悩や欲望に支配された迷いと苦悩の世界をいう。
【出典元:三界六道】
奥に進むと道場最後の
【六 識の道場】
読めません・・・(^^;
さて、道場エリアを後に本堂手前に戻って来ました。
掲示板文中には、そうそうたるお名前
各宗派の修験僧の道場として栄え、弘法大師、理源大師、仁海僧正、智証大師・・・。
理源大師で思い出すのは、大阪府豊能郡の行者山の理源大師座像。
空海の実弟真雅の入室弟子であり、修験道の中興の祖であり、醍醐寺を開かれたお方。
【大阪】行者山、行場巡り その2 - シロンプトンでパンとお参りと
【滋賀】園城寺三井寺 其の一 - シロンプトンでパンとお参りと
仁海僧正だけが分かりません。
調べてみました。
高野山の雅真(がしん)に師事して得度し、その後石山寺元杲(がんごう)に灌頂を受けた。
弘法大師(空海)より8代目の弟子にあたる。991年(正暦2年)山科小野に牛皮山曼荼羅寺(後の随心院)を建立し、小野流を開いた。
1018年(寛仁2年)祈雨法を修して霊験を現したことにより権律師に任じられた。宮中の帰依を受け、神泉苑(京都御池大宮西)に請雨の法(祈雨法)を修すること9回、その度に霊験があり雨が降ったので、雨僧正とも呼ばれた。
【出典元:仁海 - Wikipedia】
理源大師、仁海僧正、智証大師共に、空海さんの影響を受けていない方は全くおらず、
改めて空海さんの存在の大きさを感じます。
さて、参道から見えていた天狗杉の前には【大杉堂】があり、
大杉坊大権現(火を司る男性神)と八大龍王(水を司る女性神)がお祀りされているようです。
火(か)と水(み)で神(かみ)ですね。
大杉坊大権現の大杉坊は天狗のお名前だそうです。
お堂の右手から背後に回りこめる階段があったので下りてみることに。
大杉上部
大杉中部
大杉下部
下から見上げてみるとご覧の通りの大きさ。
圧巻!
もちろん正面から撮った幹回りも素晴らしく。
ただただ圧倒されっぱなしのご神木。
イメージは『柔らか~』というより『強い!』の一言に尽きます。
さて、境内のお参りも終わり、お次はお山に入ります。
つづきます。